「あの日の決意」 未婚で母になりました 〜前編〜
「シンママライフ」を運営する「なでしこTOKYO」代表の宮内がインタビューします。
子どもを育てるのはどんな環境だって、手間をかけて、お金を使って、時間を捧げて、…そして愛を注ぎます。手がいくつあったって足りない瞬間は多々ありますが、ひとり親はそれを一手に担います。
シングルマザーといっても、シングルマザーになるきっかけは、大きく3つ
1.自ら望んでパートナーとの関係を解消する=離婚など(80.8% *平成23年度 厚生労働省「人口動態調査」)
2.予期せぬことによりパートナーがいなくなる=死別など(7.5%)
3.ひとりで産み育てる=未婚・非婚など(7.8%)
今回は3つ目、約30年前に、未婚で母親になる決断をしたKさんにフォーカスしました。
シングルマザーになったきっかけは何ですか?
いわゆる未婚の母として息子を出産し、以降、ずっとシングルマザーです。
妊娠がわかった時に、独身だと思ってお付き合いしていた男性が既婚者だったとわかりました。
もちろん衝撃を受け、そして色んな葛藤がありましたが、最終的には「ひとりで産んで育てていこう」と決めました。
相手の家庭を壊してまで私と子どもの幸せを優先させたいとは思わなかったし、子どもさえいてくれたら生きていけると決心できたからです。
子どもの父親には、お腹がずいぶん大きくなってから打ち明けました。彼は何も言いませんでした。
そうこうしている間に息子が誕生しました。
好奇の目にさらされる気がして、近くに親戚がいる実家には帰りませんでした。
実家に頼ることはなかったのですが、それでも父と母には申し訳ないという気持ちでいました。
未婚のまま出産する人が少しずつ増えてきているとは言え、親の世代には大きな驚きだったと思います。Kさんがおいくつの時に出産したのですか。
30歳の時です。
息子が生まれた時はただ本当に嬉しくて嬉しくて仕方がなかったです。出産までに感じていた不安などが全て吹き飛び、私は何があってもこの子のために頑張れると決意した瞬間でした。
生まれたばかりのお子さんと2人…どのようにして生計を立てていたのですか?
子どもが生まれる前から夜のお仕事をしていました。ベビーシッターさんに依頼して家に来てもらい、生まれてからも続けました。
子供を誰かに預けないと働くことはできないし、働いたお金は子供を預けるお金に消えていくし。今のように認可保育園の制度が整っていたわけではなく、まして夜となるととても高額でした。
それで家賃を払って…今思うと、よく生活できていたなと思います。
息子が肺炎になって入院しても夜は仕事に行きました。
ずっとそんな生活だったので、物心ついた息子は、私がいないことが当たり前だと思っていたかもしれませんが、やっぱり母親としては、もっと長い時間、特に夜は一緒にいてあげたいなと感じていました。
その後、地元に戻り父と母と一緒に住み始めました。
パートナーによってシングルマザーになることを決めたKさんですが、夜のお仕事をしながらの子育てをするという激動の数年間を経て、ご実家に戻りご両親と一緒に暮らすことになりました。
このことがKさんに大きな転機をもたらします。続きは後編で!