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シンママの話

妊娠をきっかけに助産師になったシングルマザーのお話~前編~

「シンママライフ」を運営する「なでしこTOKYO」代表の宮内がインタビューします。

現役の助産師として今も産科の現場で働きながら、妊娠前・妊娠中の母親教育を行っている淺乃和代さん。ご自身もシングルマザーとしてお子さんを育てていらっしゃいます。

前編では、そんな淺乃さんが助産師を目指したきっかけから、これまでの活動や取り組みに迫ります。

宮内
助産師さんは、看護師さんの中でも特に出産に関わるすべてのことをサポートする…というイメージを持ちますが、淺乃さんはずっと看護師をされているのですか。

淺乃さん
もちろん看護師の免許も持っていますが、元々は医療とは関わりのない大学に入学し、リクルートで会社員として働いていました。そこで元夫と知り合って結婚し横浜に転居しました。

宮内
会社員をしていたとは驚きました。ご結婚されて…で、助産師の道へ進んだことには、どんなきっかけがあったのですか。

淺乃さん
妊娠中、SONYの創業者 井深大氏の本に共感したことが全ての始まりです。井深氏は、幼児教育の協会を設立し早期教育に力を入れていて、「赤ちゃんは、お腹に宿った時から、お母さんの働きかけ次第で未知の可能性が拓ける」という理念のもと、心の胎教の大切さを謳っています。

宮内
「井深理論」は私も少し知っています。井深氏は人生の後半で幼児教育に情熱を注ぎ、母親と子どもとの結びつきに注目し、心の教育にも傾倒したんですよね。

淺乃さん
井深氏の本にどんどん引き込まれ、心の胎教に興味を持ちました。読んでいる時に感じたことは「子どもとの関わり方は、妊娠を考えた時に知りたかった」。まして、生まれてから教育を始めるなんて遅いのではないかと考えました。

産んでからでは遅すぎる ?

宮内
胎教というとお腹にいる赤ちゃんに話しかけたり音楽を聞かせたり…が浮かびますが?

淺乃さん
もちろん、そういったことも大切です。 井深理論の“胎児の可能性”に興味を抱いたことがきっかけとなり、 「産んでからでは遅すぎる」という思いが私を突き動かして、ソニー教育財団の協会に関わり始めました。

宮内
出産して「どうぞ」と赤ちゃんを手渡されるだけで、自分がちゃんと子育てができているのか不安ですよね。途方に暮れてしまう瞬間があるのも分かる気がします。産後クライシスという言葉も耳にしますしね。

淺乃さん
そうなんです。「産んでからでは遅すぎる」と感じた経験を契機に、これからお母さんになる人にはそんな思いをして欲しくなくて、自分が助産師になろうと決めました。

宮内
ある日妊娠が分かって、その日から母としての人生が始まる…。入学も就職も結婚も「もうすぐ〇〇になるんだ」と心の準備ができますが、母親になることは、優先すべきが自分だけでなくなるという大きな変化がありますよね。

淺乃さん
「心の胎教+母親になるために必要な知識を伝えられるところがあればいいな」と思い、30歳の時に予備校に入学、看護学校に3年通い、助産師学科に1年勉強して助産師になりました。
母親としてもっともハイリスクな瞬間は、母親になる=お産なんです。命がけで出産に挑むお母さんのサポートをしたくて、これまでに4千件以上のお産に携わっています。

宮内
母親になるための知識は、地域や病院が主催している母親学級に出席すると万事OKなのかと思っていましたが…

淺乃さん
妊娠後の母親学級も大事ですが、私は“本当に幸せな母親になること”にこだわっています。そのためにはパートナーとの関係は大事だし、産後クライシスは深刻だし、母になるまでにいくつもの危機があります。そういうことをクリアにしていく母親学級。
そして、最初のハードルは不妊です。妊娠を考えた時から母親学級が始まっています。

宮内
不妊…卵子の老化等と聞くと不安になりますが、何が怖いのかも理解せずに不妊を怖がっているかもしれません。

「胎内教育」について語る淺乃さん(右)

妊娠してからでは遅すぎる?

淺乃さん
妊娠する前の母体の栄養状態がお腹の中の赤ちゃんの健康状態まで左右してしまうと分かってきたことで、今度は「妊娠してからでは遅すぎる」と考えるようになりました。
赤ちゃんが将来かかるかもしれない成人病も、お母さんの産後うつも、妊娠前の母体をコントロールすることで回避できる可能性があります。
なぜならば、私たち自身を辿っていくと、私たちは母親の卵子からできていて、その母親の卵子はそのまた母親の胎内環境で育っているんです。
これから妊娠を考えている人の生活環境は、2代先、つまり孫のことにも影響していると言えます。
それに気づいたからには、助産師として伝えない訳ないはいかないのです。

宮内
子どもの顔を見る前から、孫のことを考える…それをどのようにして伝えているのですか。

淺乃さん
懸命に働いて、いざ子どもを持ちたいとなった時に閉経なんてことがないように、妊娠適齢期を含めたライフキャリアデザインを大学生に教えています。就活・婚活・妊活で、妊活にだけは旬があることを早くから知っておいて欲しくて。

宮内
確かに、そういったことに早くから気づいていれば、回避できることもあるんじゃないかと私も思えてきました。

淺乃さん
Facebookで「妊勝朝食」を伝えています。食生活はとても重要で、高タンパクの料理や、抗酸化作用に効果的な食事スタイルをお勧めしています。また、個別指導や不妊治療のアドバイスもしています。

助産師さんは、一般的には妊娠後期から出産までのサポートという印象ですが、淺乃さんは大学生にライフデザインをレクチャーし、妊娠前から胎内環境を整えることに力を注ぐなど、今までにない助産師さんとして活躍されてる助産師さん。

後半は、シングルマザーとしての淺乃さんに、女性としての人生観をお聞きします。

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